1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10710047
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
瀧野 揚三 大阪教育大学, 教育学部, 助教授 (60206919)
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Keywords | 学級介入 / 教師用RCRT / 対教師感情 |
Research Abstract |
本研究は、学校心理学的な観点から学級経営に介入するひとつの手法を開発し、それを評価することを目的としている。そのためには、これまでの生徒側、教師側からのアプローチによって得られている結果をもとに、教師へのフィードバック内容の検討、介入に要する負担(介入期間、介入回数)軽減の手法の開発、介入の経過と結果の可能な評価方法を出きる限り多くの事例から導出することを試みる。 平成10年度は、学級介入方法の具体化と評価視点の探索的検討を行った。まず、介入とその分析方法について、おもに学校場面のフィールドワーク関係の国内外の最新の文献資料を集めた。さらに、学級への介入方法について、質問紙、面接などを通じた現状の把握と分析、今後の展開の予測、電子メイルでのやりとりや面接によるフィードバックを用いた介入の方向性、可能性について検討した。また、経過面接の構造化についても検討し、教師への負担を軽減できているかどうか検討した。 その結果、RCRTという調査手法によって、個々の担任教師が生徒をとらえる視点を明らかにすることは学級経営上、効果的であることを確認した。その際に、結果についてのかなり詳細な解説が必要であること、さらに、解説を補うためのグラフ化の工夫、電子メイルやファックスによる疑問点を随時、解説を行うことにより、効果をより高めることがわかった。また、この調査の実施方法について、さらに簡略化する必要がある。さらに、この結果と生徒の対教師感情の質問紙調査結果を対応させることで、個々の生徒に対する対応の指針が明確化され、教師は具体的にどの生徒のどのような観点からのはたらきかけが必要であるかに容易に気づくことができた。 次年度は、上記の手法でさらに事例を増やしつつ、実施方法の簡略化と結果の効率的なフィードバックについて検討する。さらに、教師は結果のフィードバックを教室でどのように具体化しているかについても、観察等で明らかにしていく。
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