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1998 Fiscal Year Annual Research Report

幼児の語意味限定に及ぼす事例の周辺状況の影響を規定する要因の検討

Research Project

Project/Area Number 10710054
Research InstitutionNaruto University of Education

Principal Investigator

田村 隆宏  鳴門教育大学, 学校教育学部, 講師 (50294731)

Keywords言語獲得 / 語彙獲得 / 語意味限定 / 周辺状況 / 幼児
Research Abstract

研究期間2年間の初年である本年度は,先行研究(Hall&Waxman,1993;田村,1997)から,語意限定に及ぼす事例の周辺状況の影響を規定している要因として考えられる2つの要因,(1)周辺状況の日常性の要因,(2)周辺状況の多様性の要因,の効果を検討した。
[実験1] 実験1では語意限定に及ぼす事例の周辺状況の日常性の要因を検討した。
5歳児50名を用いて,新奇語が命名される事例(例えば象)の周辺状況の日常性の高い条件(例えば,象が檻に入っている)と日常性の低い条件(象が自動車に乗っている)条件で,新奇語の意味の限定を比較した。その結果,いずれの条件の幼児も命名された新奇語が周辺状況に制約されたものとして意味限定をする(周辺状況がある事例にのみ新奇語の意味をあてはめる)ことが多かった。条件間に明らかな違いが見られなかったことから,語意限定に及ぼす事例の周辺状況の影響を規定している要因として,日常性が関与している可能性は低いことが示唆された。
[実験2] 実験2では語意限定に及ぼす事例の周辺状況の日常性の要因を検討した。
5歳児50名を用いて,新奇語が命名される事例(例えば象)の周辺状況の多様性の高い条件(象の周囲に複数の事例がある)と多様性の低い(象の周囲に檻のみある)条件で,新奇語の意味の限定を比較した。その結果,幼児は多様性の高い条件では,概念的な語意味限定(周辺状況の有無にかかわらず象に新奇語の意味をあてはめる)をしやすいのに対して,多様性の低い条件では周辺状況に制約されたものとして意味限定をしやすいことが明らかになった。この結果から,語意限定に及ぼす事例の周辺状況の影響を規定している要因として周辺状況の多様性が関与していることが示唆された。

URL: 

Published: 1999-12-11   Modified: 2016-04-21  

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