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1998 Fiscal Year Annual Research Report

老年期にみられる抑制機能の特性とその自己調節過程

Research Project

Project/Area Number 10710064
Research InstitutionRitsumeikan University

Principal Investigator

土田 宣明  立命館大学, 文学部, 助教授 (40217328)

Keywords行動調節 / 老化 / 抑制 / 復帰抑制
Research Abstract

本年度は,行動制御に関する実験課題の作成を主たる目的として,以下の2つの実験を行った.実験1として,随意的な行動の制御,特に反応抑制に注目して実験室的課題を作成した.その結果,次のような知見が得られた.1. 刺激-反応適合性に拮抗する反応が要求される条件を設定した結果,誤反応が増加した.反応の「しやすさ」(刺激-反応適合性に合うこと)の要因がヒトの行動調節におおきく影響することが示唆された.2.いずれの条件でも,誤反応の反応潜時は正反応の反応潜時よりも早かった.随意的な制御からはずれる反応は,通常の知覚-運動系のルートよりも早く運動系に到達することが推察された.実験2にでは,さらに別の変数を導入して,行動調節に与える影響を検討した.実験2では,随意的な行動の判断を強制的に遅らせる条件を導入した.随意的な行動の判断を遅らせることが行動調節に与える影響をみた.具体的には,単に全体の反応潜時が遅れるだけなのか,それとも反応パターンにより影響が異なるのかどうか,また誤反応に影響するのかどうかを分析した.その結果,次のような知見を得た.1.誤反応に関して,実験1と有意差はみられなかった.2.反応潜時に関して,反応パターン別の分析から,「復帰抑制」(inhibition of return)と「ネガティブプライミング効果」(negative priming effect)の影響が顕著にみられた.随意的な行動の制御を遅らせるような変数操作を加えると抑制機能が強く働くことが推察された.以上の結果を.下條(1997)のはしご段モデルを応用して分析した.その結果,下條のはしご段モデルで想定されたように,人間の行動調節にとって,随意的な制御が可能な知覚-運動系ルートと,潜在的で,随意的な制御のおよばない知覚-運動系など,複数のルートの存在が示唆された.来年度は,このモデルを応用し,加齢の影響を検討する予定である.

  • Research Products

    (1 results)

All Other

All Publications (1 results)

  • [Publications] 土田 宣明: "老年期の抑制機能に関する研究の意義と現状" 心理学評論. 41(1). 73-85 (1998)

URL: 

Published: 1999-12-11   Modified: 2016-04-21  

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