医療技術者の大学教育と就職・初期キャリアに関する比較研究

1998 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 10710075
• Research Institution: Hokkaido University
• Principal Investigator: 平澤 和司 北海道大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (30241285)
• Keywords: 就職 / 大学教育 / 労働市場

Research Abstract

本研究の課題は、医師とともに重責を担っている医療技術者が、大学・短大を卒業後どのように就職し、いかなるキャリアをたどったか、職務に必要な技能はどこで修得したか、大学教育をどのように評価しているかなどに関して、おもに医学部卒業者ではなく理系の学卒者との比較に重点をおいて社会学の視点から実証的に考察することにある。こうした課題に答えるために、平成10年度には以下のような調査と分析を行った。
1. 理科系大学卒業者および医療技術系大卒者の就職の全国的な概要を明らかにするために、おもに日本労働研究機構や民間の研究機関から、既存の(統計)資料の収集し分析を進めた。
2. 比較調査の対象とする理科系大学を卒業した学生の就職状況(就職先・就職経路など)やその特質・問題点などを明らかにするために、当該の4私立大学の就職担当職員や一部の学生・教員を対象に開き取り調査を行い、あわせて収集した資料の分析を進めた。
3. その結果、雇用主への応募形態は自由応募、形式推薦応募、実質推薦応募に区分でき、それらの比率は4校平均でおよそ4:5:1であること、就職活動の過程においては、形式推薦応募は実質推薦応募よりは自由応募に近い形態であること、しがし就職結果においては自由応募く形式推薦応募〈実質推薦応募の順に良好な結果を得ていること、などが明らかになった。こうした結果を踏まえて、平成11年度においては分析の主眼である医療技術系大卒・短大卒者を対象に調査を進める予定であり、平成10年度末に聞き取り調査に着手した。