1998 Fiscal Year Annual Research Report
児童自立支援施設における家族支援システムに関する研究
Project/Area Number |
10710095
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Research Institution | Tokyo Kasei University |
Principal Investigator |
平戸 ルリ子 東京家政大学, 文学部, 助教授 (70189843)
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Keywords | 教護院 / 児童自立支援施設 / 自立支援システム |
Research Abstract |
1998年4月より教護院が児童自立支援施設として名称変更された。また、従来の機能に加え、家庭環境に問題のある児童も入所対象となったこと、通所機能が盛り込まれたこと、学校教育の実施が義務づけられたことなど、かなり法の面では大きな変更点があった。本研究では、新しい児童自立支援施設が今後どのように子どもや親たちのニーズに答えていったらよいかということを模索することを目的としている。中でも特に、従来の施設内で終始する処遇ではなく、家族をも含めた自立支援システムのあり方を検討していきたいと考えている。本年度は、まず、法改正後の施設が、どのように処遇を変化させたか(あるいは変化がなかったか)、問題点は何かといった点についておもに聞き取り調査によるプリテスト的実態把握を行った。訪問したのは、広島学園、杜陵学園、徳島学院、国児学園であり、職員の自主研究会(鳴門市と宮津市)においては、東京(萩山実務学校、誠明学園)、京都(淇陽学校)、大阪(修徳学院)、岡山(成徳学校)等の職員から、現状を伺った。 聞き取りの結果、それらの施設では、法改正はあったものの現状の対象児には大きな変化がみられないこと、通所を実施している施設は皆無であること(一部ショートステイの計画をしている施設を除く)、家族支援についても、まだ以前からの面会や手紙による交流が中心で、積極的な働きかけを実施しているところはほとんどみられないということなどがあきらかになった。どの施設も現時点における最大の課題は学校教育の実施をどういう形で行っていくかとの印象を受けた。これらの結果をもとに聞き取り項目を検討し、次年度には全国規模での実態調査を実施し、今後の自立支援システムのあり方について、その方向性を示唆する予定である。
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