1999 Fiscal Year Annual Research Report
政治的影響力の階層構造-政治的影響力と政治意識の階層間格差に関する実証的研究-
Project/Area Number |
10710099
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
村瀬 洋一 立教大学, 社会学部, 講師 (50301578)
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Keywords | 社会階層 / 関係的資源 / 政治的影響力 / 政治意識 / 地域間比較 / SSM調査 / 政策志向 / 対立軸 |
Research Abstract |
民主主義は平等を原則とするが、現実の民主主義社会における政治的影響力は、全員が等しくはなく、階層的地位の高いものほど強い。本研究は、政治的影響力の指標として、政治的有力者とのつきあい(関係的資源)をとりあげ、関係的資源と政治意識の階層間格差の実態、およびその規定因について、解明することを目的とする。本年度は、前年度に引き続き、まず、最近の研究動向や問題点をまとめるとともに、SSM調査や、独自の統計的社会調査データの分析を行った。複数の政策志向について分析した結果、環境保護の重視など脱物質志向に対して、関係的資源保有量が規定力を持つことが明らかになった。また、再分配政策志向には、経済的資源が強い規定力を持つことが分かった。 次に、東京都にて独自の統計的社会調査を実施した。前年度は、宮城県の農村部で調査を行ったが、今年度は、農村部と都市部の比較可能なデータを得ることを目的に、東京都の北部4区(北区、板橋区、豊島区、文京区の、都立高校の第4学区に対応する地域)にて、10月より1500人を対象として郵送法により統計的調査を実施した。調査項目として、関係的資源、階層構造の評価、数種類の政策への志向、その他の社会意識等を設定した。調査票の回収には郵便留め置き法(調査票を郵送し、回収は学生調査員が訪問)を用いた。1月には回収を終え、有効回収率は約55%となった。3月時点でデータファイルの作成が終わり、今後、分析の予定である。これで、本科研費の研究期間以前の調査も含め、地方都市(仙台市)、農村部、東京の3地点のデータが、ほぼ完成した。 これまでの研究成果は、学会発表や雑誌論文として、別紙の通り発表した。また、研究成果の一部をまとめて博士論文として完成させ、1999年9月に博士号を取得した。
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[Publications] 村瀬 洋一: "「有力者とのネットワーク保有の規定因 -関係的資源を指標とした政治的影響力の社会階層構造」"社会学評論. 50. 21-40 (1999)
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[Publications] 村瀬 洋一: "「政策志向の規定メカニズムに関するSSM調査の分析 -社会階層と関係的資源の効果」"関東社会学会大会報告要旨. 47. 15-16 (1999)
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[Publications] 村瀬 洋一: "「権威主義的態度の規定メカニズムと親子間の関連 -上下のけじめ態度に関する調査データの計量分析」"数理社会学会大会研究報告要旨集. 28. 64-65 (1999)
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[Publications] 村瀬 洋一: "「質的変数としての政党支持意識の規定因 -とくに人間関係保有に着目して-」"日本行動計量学会発表論文抄録集. 27. 55-56 (1999)
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[Publications] 村瀬 洋一: "「社会構造変動に関する意識の規定メカニズム -再分配政策志向と社会階層の関連-」"日本社会学会大会報告要旨. 72. 265-265 (1999)
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[Publications] 村瀬 洋一: "「民主主義社会における政治的影響力の不平等 -関係的資源の階層間格差と政治意識との関連」"東北大学大学院文学研究科博士論文. 207 (1999)