1998 Fiscal Year Annual Research Report
「農村来住者」の定着状況と地域内での社会関係に関する実証的研究
Project/Area Number |
10710105
|
Research Institution | Iwate Prefectural University |
Principal Investigator |
小野澤 章子 岩手県立大学, 社会福祉学部, 講師 (30291850)
|
Keywords | 移動 / 定住 / 地域社会 / 都市 / 農村 / 新規就農 |
Research Abstract |
本研究により、次の3点が明らかになった。 1 公共団体の定住支援事業の類型化(全国) 既存の定住支援事業には大きく分けて次の3つのパターン(1)居住関係(2)結婚出産関係(3)生業支援関係(特に農業就業支援)がある.特に、(1)では住居購入支援、不動産情報提供などが多い。 2 農村来住者の事例についての類型化 農村への移住体験記録等から把握すると、その移動の理由は、(1)新規就業あるいは起業(特に就農あるいは芸能)(2)子供の環境(教育あるいは生育)(3)いわゆる「Uターン」などに分類することができる。 3 「農村来住者」への社会学的アプローチの可能性 さらに、社会学における先行研究を整理すると、次のようなキーワードとの関連がある。(1)「移動」:この視点はおもに農村から都市への移動、最近では国際労働力移動などが中心で、日本国内の都市から農村への移動に着目した研究は少ない。(2)「定住」:高校生の定住意識などの就業移動との関連研究が中心で、定住の実態が把握されていない。(3)「新規就農」:唯一、都市から農村への移動が含まれるが、明示的には対象化されていない。 *今後の研究課題して、以上の成果を踏まえ次の2点に注目する.(1)「来住者」側からのアプローチではなく、受け入れる地域社会からの視点。(2)「定住意識」「移動意識」へのアプローチではなく、来住者と既存の地域社会との実際のやり取りへの接近。
|