1998 Fiscal Year Annual Research Report
発展途上国における女子教育の社会経済的影響とその振興に関する統計的実証研究
Project/Area Number |
10710129
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
黒田 一雄 広島大学, 教育開発国際協力研究センター, 講師 (70294600)
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Keywords | 教育 / 女子 / 開発 / 発展途上国 / 統計的研究 |
Research Abstract |
本研究は発展途上国における女子教育がその社会の発展にいかなる影響を与えているかを統計的な実証を基として分析を行い、かつ女子教育の振興の方策をも探求しようとするものである。当初米国のランド研究所が作成したインドネシアにおける実勢調査の統計データのみ使用する予定であったが、平行してユネスコの統計を基として、国レベルの統計データによる途上国女子教育の分析も行った。今年度においては特に女子教育の社会経済的影響に焦点を当て、分析を行った。この結果については広島大学教育開発国際協力研究センター発行の「国際教育協力論集」第2巻第1号を参照いただきたい。主な発見は、途上国においては重回帰分析や収益率分析により、従来女子教育が高い生産性を有することがしばしば指摘されてきたが、必ずしもそれは正しくなく、労働市場において女性の参加が平等ではない状況においては、そのような女子教育の社会経済開発への積極的な貢献が抑制される傾向にあることである。 また同時に研究会を組織し、(1)ユネスコ・世界銀行・ユニセフ・国際協力事業団等の途上国の女子教育のために取り組みやその政策について簡単なまとめを行い、(2)世界の地域別の女子教育と国際協力の現状を主に世界銀行の資料からよみとり、分析を行った。 来年度はインドネシアのデータの分析をより精密に行い、今年度の統計分析の結果や各国際協力関係機関の政策との整合性を見極めたい。
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