1998 Fiscal Year Annual Research Report
青年前期の普通教育としての技術教育の成立過程に関する研究
Project/Area Number |
10710132
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
坂口 謙一 高知大学, 教育学部, 助教授 (30284425)
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Keywords | 普通教育 / 技術教育 / 技術科 / 技術・家庭科 / 男女共学 / 中学校 / 教育課程 / 高等小学校 |
Research Abstract |
1. 日本の普通教育としての技術教育は、1989年の中学校学習指導要領改定による技術・家庭科の性別履修指定制の撤廃により制度上実現したと筆者は考えている。本研究は、この技術・家庭科の技術教育の部分(技術科)に着目し、この教科の男女共学必修化の歴史的過程において、高等小学校の手工科と実業科を男女必修とした1926年の高等小学校改革が事実上最初の重要な画期をなすことに注目するとともに、その後も幾多の変転と動揺を経て今日に至った経過について、青年前期の普通教育課程の変容の面から普通教育史上の意義を実証的かつ理論的に解明しようとするものである。 2. 本年度はまず、1989年の普通教育としての技術教育の成立、すなわち技術科の男女共学必修化の歴史的成立過程に関する全体像を仮説として整理することを第一の課題とした。(1)この仮説については、技術教育に関する教科が近代日本の普通教育課程に最初に登場した1881年以後、大きくは、(1)1926年の高等小学校改革の一環としての手工科の男女必修化及び男女必修の実業科の新設、(2)1947年の新制中学校教育制度の誕生の一環としての男女必修の職業科と図画工作科の成立、(3)1958年の中学校教育課程改革の一環としての男女必修の技術・家庭科の成立という三つの制度的画期が存在することを主要な論点として整理した。(2)この仮説は、「研究発表」欄に記載の論文で概説・公表した他、『昭和教育史事典』(三一書房、1999年発行予定)における筆者の執筆担当項目「技術科教育」の中で詳述した。 3. また本年度は、1926年の高等小学校改革の一環としての手工科の男女必修化及び男女必修の実業科の新設に関する教育史的意義を解明するための資料の収集・分析を進めるとともに、方法概念の明確化に努めた。
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Research Products
(2 results)