1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10710146
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田辺 明生 京都大学, 大学院・アジア・アフリカ地域研究研究科, 助教授 (30262215)
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Keywords | ヒンドゥー教 / インド / オリッサ |
Research Abstract |
平成11年度においては、現代ヒンドゥー教の発展と変容における聖者の役割について、歴史人類学的な観点から、オリッサにおける事例を中心に研究を進めた。現代インドにおいては、ヒンドゥー至上主義の台頭が憂慮されているが、その議論においては世俗主義かヒンドゥー至上主義かどちらかの選択肢しかないような貧しい二分法による水掛け論が多い。私はこうした水掛け論をこえて、インド社会における「普遍的価値」の可能性を再考するために、18世紀の近世から植民地的近代そしてポスト植民地的近代の今日にまでいたる、インド社会における普遍的価値と聖性のつながりについて実証的な研究を進めた。 研究結果として、本年度は次の論文発表を行った。1)「土地とアイデンティティーインド・オリッサ州クルダ地方における土地の文化政治史」杉島敬志編『土地所有の政治史-人類学的視点』風饗社pp.125-155、2)"Kingship and Caste: the Relationship between King/Dominant Caste and the Brahman Reconsidered" in Rituals as Popular Cuoture: Towards Historico-Anthropological Understanding of Modern Indian Societyed. by Steering Committee of the Research Project: Institutions, Networks and Forces of Changes in Contemporary South Asia. pp.201-230
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