1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10710148
|
Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
加藤 尚子 国際医療福祉大学, 医療福祉学部・医療経営管理学科, 助手 (70294858)
|
Keywords | 病院組織の活力 / 看護婦の不満の様相 / 人事考課制度 / コミュニケーション儀礼 / 病院の理念 / 病院の発展プロセス / 病院長の役割 |
Research Abstract |
1. 参与観察法に基づく現地調査・意見書分析 福岡県下にある医療法人病院において、参与観察法とフォーカスグループ法による面接によって、現状把握のための現地調査を行い、特に調査病院の人事制度の実態について詳しく調査した。人材育成のための試みが組織の活性化にどのように結びついているかを検証するために、人事考課制度の自己申告書の意見欄に看護婦が自由記述した意見を7年間分集め、看護婦の不満の様相と組織の年次変化に伴う意識の変化を分析した。看護婦が語る不満を構造化すると、看護婦として自己成長できず力不足であるという自分自身に向けられた不安が根底にあることが明らかになった。また、人事考課制度が、非日常性を作り出すコミュニケーション儀礼として機能していることが明らかになった。この成果は、第36回日本病院管理学会学術総会(1998.10.22.東京)において、「一病院における看護婦の職務不満足の様相」として発表した。 2. 病院発展プロセスアンケート調査 個々の病院が地域社会の中でどのように発展し、どのような位置づけと役割を果たしてきたのかを明らかにするために、福岡県下の全私設病院を対象としたアンケート調査を実施した。現在データ分析中であり、来年度に成果を発表する。 3. 病院経営者へのインタビュー調査 病院組織の理念のあり方、組織の活力に影響を及ぼす院長の位置づけ、それに対する管理職の考え方を問い、病院機能別のパターンを検証するために、病院の機能類型上の諸特徴を特に示している病院を選別し、全国18病院の院長や管理職に対してインタビュー調査を行った。来年度も引き続き調査を行い、パターン化を試みる。
|