1998 Fiscal Year Annual Research Report
原始から中世における本土と南西諸島との文物交流の実態に関する研究
Project/Area Number |
10710194
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
大西 智和 鹿児島大学, 法文学部, 助手 (70244217)
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Keywords | 南西諸島 / 文物交流 / 土器編年 |
Research Abstract |
南西諸島の対象とする時期のタイムスケールを得る必要があるため、土器編年を行うための資料調査を行った。現地調査では実測、写真撮影に加えビデオカメラを用いて資料の有する情報を多角的に記録した。また、資料に関する文献収集、資料が出土した遺跡に関する情報の収集なども行った。 具体的な作業として、以下のことなどを行った。 ・ 沖縄本島、奄美大島において、土器を中心とした、資料調査。 ・ 奄美大島の瀬戸内町に所在する嘉徳遺跡出土資料を用いて、縄文時代後期に相当する時期の土器編年を行った。大枠は従来の編年と同様であるが、時期差とされていた2つの型式が同時期のもので、系統の差を表していると考えたこと、新しいとされていた一群に古い型式のものが含まれていると考えられることなど、新しい知見が得られた。 ・ 同じく奄美大島の龍郷町、ヒラキ山遺跡から出土した、中国製陶磁器の実測を行った。年代を検討したところ、この遺跡では14世紀後半の資料が多く出土していることがわかった。奄美大島のほかの遺跡ではこれよりも古い時期の資料がまとまって発見されている。中世に中国とこの地域との交流が継続的に行われていたことがうかがえた。 今後は他の時期の土器編年も行い、さらに、交流の実態を明らかにするとともに、その社会的な背景の考察を行っていきたい。
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Research Products
(1 results)