1998 Fiscal Year Annual Research Report
かき消された声を求めて:英国世紀末詩人ルイザ・サラ・ベヴィントン研究
Project/Area Number |
10710221
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
瀬名波 栄潤 北海道大学, 文学部, 助教授 (10281768)
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Keywords | 19世紀 / イギリス / 文学 / 女性作家 / フェミニズム / アナーキズム |
Research Abstract |
この研究は、まずルイザ・サラ・べヴィントンに関する世界で初の著作全集を欧米の出版社から出版することを最終目的として始まった。初年度の研究は資料調査及び中間報告の成果において成功だったと言えよう。 平成10年度は、べヴィントンの作品に関する資料を国内外の大学・図書館から複写・マイクロフィッシュ・インターネットを通して依頼・収集。政治機関誌に関しては国内の図書館等で直接資料調査した。その後、当該研究費で購入したコンピューター機器を使用し、ネイティヴスピーカーを含む大学院生のリサーチアシスタントに資料整理をお願いした。収集された作品はスキャナーで処理、また詩集等の表紙などはデジタルカメラで処理しコンピューター保存を施した。結果としては、彼女の人生がようやく体系的にわかるようになり、これまで知られてなかった彼女の生年月日や死因なども究明できた。彼女の著作品もほとんどが収集できたと自負しているが、慎重に調査を進めねばならない。 その間、研究の中間発表として、1998年7月には沖縄外国語文学会(琉球大学)で「Another Voice neglected in the Fin de Cieclc:An Introductuion to Louisa Sarah Bcvington」と題して研究口頭発表をした。1999年初めには、文学研究ための作家論及び作品論を集大成し世界的にも権威のあるDictionary of Literary Biographyの第199巻「Victorian Women Poets」にべヴィントンの項を出版することが出来た。これは私個人の貢献というよりも英国文学への貢献である。3月には、渡米。専門家から編集上のレビューを受けた。 平成11年度には彼女の作品の注釈作りが中心的な研究となろう。本研究の最終目的であるべヴィントン著作集出版に関しては、現在英国の女性研究に理解を示す出版社と連絡をし返答待ちの段階である。
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Research Products
(1 results)