1998 Fiscal Year Annual Research Report
京阪方言における漢語アクセントの式に関する計量的研究
Project/Area Number |
10710256
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Research Institution | Osaka Women's University |
Principal Investigator |
前田 広幸 大阪女子大学, 学芸学部, 助教授 (40219275)
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Keywords | 大阪方言 / アクセント / アクセント型 / 高起式 / 低起式 / 漢語 / 式保存の法則 / 語種 |
Research Abstract |
研究初年度の平成11年度は、現代大阪語の大規模アクセントデータベースである、杉藤美代子(編)『東京アクセント音声辞典CD-ROM(以下、『音声辞典』)を用い、1〜4モーラの和語と漢語の名詞のアクセント型分布状況について調査分析を行った。 『音声辞典』中には、65,928語のアクセントデータが収められているものの、各語に語種情報が付されていない。そこで、語種判定の際のゆれ、恣意性をさけ、追試可能な客観的調査結果をえることを目的に、次のような手順で調査を行った。 (1) 宮島達夫氏が語種情報付けした、『現代雑誌九十種の用語用時全語彙・表記』中の和語と漢語の名詞見出し(6136語と14369語)のそれぞれについて、“音声辞典"を辞書引きする。 (2) (1)の調査結果のうち、まず1〜4モーラのものについて、語種、モーラ数、および二字漢語の場合、一字めと二字めの音節構造のくみあわせごとに、どのようなアクセント型のものが何語あるか、集計する。 (3) (2)の集計結果にもとづき、金田一春彦氏が指摘した、古代の中国語におけるトーンと、現代京阪語における〓語アクセントの〓の相関関係について、計量的な検証を行う。 以上の、平成11年度に行った調査分析の結果については、1999年3月刊の『女子大文字(国文館)』50号に発表した。 次年度は日本語のアクセントの史的資料を用い、さらに計量的な調査を行う予定である。
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Research Products
(1 results)