1999 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト言語の普遍文法原理の統語素性概念の吟味とその脳内メカニズム解明の為の基礎研究
Project/Area Number |
10710260
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Research Institution | Momoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
有川 康二 桃山学院大学, 文学部, 講師 (80299023)
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Keywords | 統語 / 脳 / 文法性判断 / 原理 / 実験 / テスト / 自然言語 / 生成文法 |
Research Abstract |
The Handbook of Syntactic Tests(統語テスト小辞典。仮称)を作成している。ヒトの言語は、ヒト脳の働きである以上、言語にはヒト脳独自の構造や機能に関する制限が顕れているはずである。現段階で、我々が採用できる方法の中の一つとして、内省的な「文法性判断」(実際は、我々が意識的に「判断」しているのではなく、無意識の脳内「計算」の結果であるので、文法性「反応」と呼ぶべきものであるが)のパターンの走査を「実験」と見做氏、ヒト言語の普遍的な原理を探っていくやり方がある。その意味での「実験」のやり方を探索項目別に分類するのが目的である。これまでに様々な実験テストが利用されてきているが、例えば、(1)副詞の構造的位置を使用したテスト群、及び(2)束縛条件を使用したテスト群については、特にその種類が豊富である。また、背理証明法が多用され、それ自体、一つのテストのように扱われている。背景の理論的な前提事項というものは変化していくわけであり、各テスト自体、その理論的背景を前提として考案され、利用されている。しかし、脳科学というより広い文脈の中において自然言語の統語実験というものを考慮していくこともまた重要であろう。つまり、どのような統語テストが、脳内実験として、将来の来たるべき脳科学と言語学の連携作業にとって有効なのかという点を見据えながら、分類/取捨選択していかなければならない。 このような自然言語研究が、直接、現在の脳科学関連の分野と連携しあえるわけではないだろう。ヒトが自らの脳の働きを、適切な理想化を行いながら内省し、ヒト言語の原理的な説明を行っていく。自らの「内省」をどのように利用して脳内で「実験」していくのか。この「実験」の正体というものを現段階で吟味し直す必要があると考える。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 有川康二: "Modal Feature Erasure and the Principle Last Resort - Evidence for Another Formal Feature of Co -"『桃山学院大学人間科学』. 15. 55-105 (1998)
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[Publications] 有川康二: "Wh-Category Movement and the Legibility Problem of the Human Language Faculty"『桃山学院大学人間科学』. 18. 1-65 (1999)
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[Publications] 有川康二: "自然言語は経験科学の対象となりうるのか?"『国際文化論集』(桃山学院大学紀要). 21(印刷中). (1999)