1999 Fiscal Year Annual Research Report
環境法における規制的手法、経済的手法、自主規制の実証的研究
Project/Area Number |
10720013
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
山下 龍一 大阪府立大学, 経済学部, 助教授 (60239994)
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Keywords | 環境法 / 規制 / 経済的手法 / 自主規制 / 許認可 / 環境アセスメント |
Research Abstract |
本研究は、規制的手法、経済的手法及び自主規制が環境保護にとっていかなる役割を果たしうるかを明らかにすることであった。2年目にあたる今年度の研究目標は、廃棄物法制における各手法の役割と環境アセスメント制度における各手法の役割を分析することである。 1、前者については、文献の収集及び分析を行い、(1)拡大製造物責任が基本理念となるべきであり、(2)企業責任に基づく自主規制を中心にして、これを国家が規制的手法により監視する制度が望ましいと考えるにいたった。しかし、成果の公表は次年度以降の課題である。なお、(3)平成11年5月25日に、大阪府堺市清掃業務調査員(市民)を対象に「ごみ問題とリサイクル運動」というテーマで講演を行い、研究の一部を発表した。 2、後者については、文献の収集及び分析を行い、後掲の論文を発表した。論文完成にいたるまでに、環境庁にインタビューに行き、担当者の意見を聴取した。その結果、(1)日本の環境アセスメント制度は、新しい制度であるが、伝統的な規制的手法である許認可制度と結合しており、二つの制度が影響を及ぼしあう可能性があること、(2)特に、許認可制度が従来の経済重視型から東境重視型に変容する可能性があること、を明らかにした。これまでの論文では外在的な批判が多かったが、本論文は制度内在的な批判を行った点に特徴がある。 3、今後の課題は、本研究を国際的視点から深め、日本の環境法制度をよりよいものにしていくことである。この点に関し、経済的手法、特に、環境税に関する分析が十分にできなかったのが反省される。これは、日本の現行法制度には環境税とみなしうる制度がなく、立法論もこれまで十分な議論がなされていなかったためである。外国法研究を含め、今後の課題としたい。
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Research Products
(1 results)