1998 Fiscal Year Annual Research Report
国際組織による紛争解決機能に関する総合的研究(その重層性・多様性と体系的把握)
Project/Area Number |
10720015
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
植木 俊哉 東北大学, 法学部, 助教授 (00160151)
|
Keywords | 国際組織 / 紛争解決 / 国際法 |
Research Abstract |
本研究は、現代の国際組織が国際紛争の平和的解決のために果たしている多様で重層的な諸機能を、国際法上の伝統的な紛争処理法と対比しつつ体系的に位置づけてこれを理論的に整理し、現代の国際法における紛争処理法を国際組織法の観点から再構成しようというものである。本研究は、平成10年度・11年度の二年間にわたり行われるが、その第一年目である平成10年度には、現代の国際組織が果たしている多様な機能を法的観点から理論的に再構成する研究を主として行った。具体的には、個別の各国際組織が現実に行っている諸活動に関する実証的研究と、これら各国際組織による諸活動を法的に分類・整理し国際組織一般に妥当する法原則・法規範を探究する理論的研究の二つを、相互に関連づけながら行った。その結果、前者の個別具体的な法的諸問題を「国際組織法各論」として、後者の理論的に整理され再構成された一般的な法的諸問題を「国際組織法総論」として、それぞれ分析することが可能ではないかと考え、その中間的な研究成果を研究論文「『国際組織法』の体系に関する一考察(四)(五・完)」『法学』62巻3号(1998年8月)・63巻2号(1999年6月)として発表することとした((四)は公刊済み、(五・完)は脱稿済みで印刷中)。平成11年度には、以上のような研究成果を踏まえた上で、このような国際組織法の体系と伝統的な国際法上の紛争処理法の関係について実証的かつ理論的な分析検討を行うことを予定とすると同時に、本研究の成果として得られた国際組織の法的諸機能の体系的分析に関しても、研究の総括と集大成を図りたいと考えている。
|
Research Products
(2 results)