1998 Fiscal Year Annual Research Report
日本とオランダの空間整序(国土計画・都市計画)行政の比較分析
Project/Area Number |
10720049
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
金井 利之 東京都立大学, 法学部・政治学科, 助教授 (40214423)
|
Keywords | 広域空間政策 / オランダ / 都市化政策 / 制限政策 / 広域公共団体 / 広域問題 / 環境アセスメント / 空間計画 |
Research Abstract |
都市化プロセスのコントロールに焦点を当てて日蘭比較を行っているが、本年度で特に研究を進めたのは、オランダにおける広域空間政策と環境アセスメント制度とである。前者に関しては、(1)都市化政策はその残余としての制限政策(空地・緑地の保存)と、車の両輪として進められている、(2)制限政策は州であるが、都市化政策は自治体として、峻別されている、(3)ニュータウン政策や緩衝地帯政策は、この峻別を維持するように進められている、(4)そのため、いわゆる広域問題の発生は、国によって政策的に抑制されてきた(日本は広域問題の発生を放任してきた)、(5)しかし、近年では大都市圏での都市化が必要となり、その意味では、日本に遅れること70年にして、広域圏での都市化が争点となった(オランダは時間を稼いだ)、(6)そのため、大都市圏に広域公共団体を整備することで、都市化政策が進められた(制限政策は依然として州)、ことなどが明らかになった。後者に関しては、(1)オランダは国際比較的にも、かなり整備された環境アセスメント制度を有して、運用している、(2)都市化プロジェクトは環境アセスメントの対象となり、それなりに貢献している、(3)戦略的環境アセスメントにも力を入れているが、戦略的空間計画に対するアセスメントはほとんど機能していない、ことなどが明らかになった。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] 金井利之: "オランダにおける広域行政制度" 比較法学. 32・1. 59-132 (1998)
-
[Publications] 金井利之: "オランダ環境アセスメント制度の仕組" 東京都立大学法学会雑誌. 39・2. 57-115 (1999)
-
[Publications] 金井利之: "オランダ環境アセスメント制度の運用" 比較法学. 32・2. 1-114 (1998)