1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10730004
|
Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
塩路 悦朗 横浜国立大学, 経済学部, 助教授 (50301180)
|
Keywords | マクロ経済学 / 計量経済学 / 経済成長 / 所得収束 / 社会資本 / パネル・データ / 地域経済 / 日米比較 |
Research Abstract |
平成10年度中は、社会資本の長期的生産性効果に関する実証研究を中心に大きな研究成果をおさめ、このテーマに関する3本の論文をまとめた。その第1は「日本の地域所得の収束と社会資本」と題する論文である。この論文はまず草稿段階で名古屋市立大学、マクロ経済学研究会(担当:吉川洋東京大学教授)、および後述の本の中間発表会にて発表された。最終稿は平成11年1月に完成し、『宇澤先生古希記念論文集』(仮題、東大出版会)のうちの1章として同年夏刊行予定である。第2の論文は“Convergence in Outputper Capita and Public Capital in Japan:Evidence from the Corrected LSDV Method"(平成11年2月)と題するものである。これは学術雑誌『エコノミア』誌上にて3月中に公刊予定である。第3は“Public Capital and Regional Output Dynamics:A US-Japan Comparison"と題する論文であり、ここでは社会資本の地域の生産性への貢献について日米比較をしている。この論文については統計研究会と国際大学で報告した。まもなく英文雑誌に投稿する予定である。なお、上記3論文すべて横浜国立大学経済学部ディスカッションペーパーとし、広く議論に供している。これらの完成した論文のほか、『ESP』より依頼を受け、経済発展と社会資本の関係に関する論文を執筆中である。 このほかに、社会資本が地域間の労働移動に及ぼす効果についても研究を進めている。また、測定誤差がある時の動学的パネル・データ・モデルの推定について、独自の方法の開発を進めている。この成果は、実証研究への応用も含めて、平成11年度中にまとめる予定である。なお、平成10年夏に計量経済学会ヨーロッパ大会、ヨーロッパ経済学会本大会に出席し、この研究についての報告を行い、各国経済学者と有意義な議論を行う機会を持った。その議論は上記3論文の基盤の一つとなるものであった。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] Etsuro Shioji: "Convergence in Output ltr Capita and Public Capital in Japan : Evidence from the Corrected LSDV Method" エコノミア. 49.3,4合併. (1999)
-
[Publications] 古川 洋 他編: "(仮題)宇澤先生古希記念論文集" 東京大学 出版会, (未定) (1999)