1998 Fiscal Year Annual Research Report
為替レートの適正水準を予測するニューラルネットワークの開発
Project/Area Number |
10730012
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Research Institution | Hiroshima Institute of Technology |
Principal Investigator |
徐 春暉 広島工業大学, 工学部, 講師 (70279058)
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Keywords | 外国為替 / 円レート / ニューラルネットワーク / 学習アルゴリズム / モデルリング |
Research Abstract |
1. 円米ドルレートの適正水準を予測するニューラルネットワークモデルを二つ構築し、モデル特定ためのアルゴリズムを提案した。 日本マクロ経済の特徴を分析したうえに、円レートの適正水準に影響を及ぼす主な経済要因として、7つの指標(経常収支、GDP成長率、公定歩合水準、日経平均株価、インフレ率、失業率、原油価格)を選択した。これらの要因をニューラルネットワークの入力層のニューロで表し、二階層モデルを構築した。異なる要因は円レートに影響する程度や方式が異なることから、モデル中のニューロを異質なものにした。さらに、為替相場の主な参加者をそれぞれの特徴によって3種類(機関投資家、輸入出業者、投機家)に分けた。二階層モデルに1つの中間層を加え、三階層モデルを構築した。中間層には3種類の相場参加者に対応して3つのニューロを採用した。異なる参加者の影響が違うから、中間層のニューロも異質なものを採用した。 これらの異質ニューラルネットワークを特定するために、ニューロ内のパラメータと階層間重みの特定アルゴリズムを提案した。これらの結果を論文に纏め、国際会議や大学の研究紀要で発表した。 2. 実際のデータを用いて、計算を試みた。 過去8年間に渡って、7種類の要因と円米ドルレートの月平均値のデータを集め、二階層モデルを用いて、試算を行い、予測誤差をはかった。予測結果は満足できるものではないが、予想より良かった。計算プログラムは提案したアルゴリズムに基づき、Matlabというプログラム言語で書かれた。計算はパソコンで行った。 これからは、三階層のモデルを使って、計算を行う予定である。予測精度の向上を目指して、モデルの改良も含めて、研究を進めていく。また、経済要因への円レットの逆影響を考慮し、フィッドバック層が含まれるモデルを開発していく予定である。
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