1998 Fiscal Year Annual Research Report
内生的成長モデルと政府支出・公的資本-calibrationによる分析-
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10730013
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
北坂 真一 神戸大学, 大学院・国際協力研究科, 助教授 (40234249)
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Keywords | 内生的成長モデル / 社会資本 / calibration |
Research Abstract |
本年度は当該テーマについて、以下の3点の研究を行った。 1.政府支出や公的資本を含む内生的成長モデルの calibration の方法、特にその中心となる最適な均衡意志決定ルールを求めるための数値計算の方法についてサーベイを行った。その結果、計算スピードについては線型二次近似法がすぐれること。また、精度については計算スピードと消費するメモリー量を考慮しなければ、離散近似法が優れていることが明らかにされた。2.公的資本(または社会資本)を含む内生的成長モデルにおいて、重要なパラメータとなる社会資本と民間資本の代替・補完関係について、静学的最適化行動を仮定したもとでトランスログタイプの費用関数を推定した。使用した社会資本のデータは今年度経済企画庁により再推定された主要20部門の合計値である。その結果、民間資本と社会資本は代替的であることが示された。この結果は、「社会資本と民間資本の代替・補完性-トランスログ費用関数による計測-」という題で論文にまとめられた。 3.さらに上の研究を発展させ、社会資本と民間資本の代替性について、動学的最適化行動を仮定したモデルで、コブダグラス型とCES型の生産関数について一般化積率推定法(GMM)を使い、我が国のマクロデータから推定と検定を行った。その結果、民間資本と社会資本の代替性はかなり小さいこと、また両者の収益率は 80 年代以降大差ない水準で変動していることが示された。
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