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1998 Fiscal Year Annual Research Report

企業の財務構造(資本構成,株主構成)と経営者行動の相互依存関係の研究

Research Project

Project/Area Number 10730055
Research InstitutionKobe University

Principal Investigator

砂川 伸幸  神戸大学, 経営学部, 助教授 (90273755)

Keywords資本構成 / 転換社債 / エントレンチメント / 債務不履行リスク
Research Abstract

1980年代以降,企業財務論の新潮流として,シグナリング・モデルとエージェンシー・モデルが注目されている。前者は,企業内部と外部マーケットの間に情報が偏在している状況を想定して,企業の財務政策を議論する。後者は,企業関係者間の利害対立問題が存在する状況において,企業の財務行動を分析する。本研究では,エージェンシー・モデルにおけるエントレンチメント・アプローチを用いて,我が国企業の代表的な資金調達手段である転換社債を議論した。
エンドレンチメント・アプローチでは,所有と経営が分離した大規模企業が分析対象とし,エンドレンチされた専門的経営者が財務政策の決定権を有していると考える。マーケットの圧力として敵対的買収の脅威にさらされるとき,経営者は自発的に普通社債を発行することでこの脅威を回避できる。普通社債の発行により,債務不履行の可能性が高い過大投資を見送ることがコミットでき,企業価値が高まるのである。
ところが普通社債の発行では,有益な投資に付随する債務不履行リスクが除去できない。これは,一旦発行すると債務が変動しないという普通社債の性質による。転換社債は株式に転換される可能性をもつ社債である。過大投資の後には負債のまま残存し,有益な投資が実施されたとき後に株式に転換される転換社債を発行することで,経営者は,敵対的買収の脅威と有益な投資に付随する債務不履行リスクを同時に除去できる。
エンドレンチメント・アプローチ自身が新しいこともあり,本研究で明らかにされた転換社債発行の経済合理性は,既存研究とは一線を画している。

  • Research Products

    (1 results)

All Other

All Publications (1 results)

  • [Publications] 砂川伸幸: "経営者のエントレンチメントと転換社債・ワラント債の発行" 日本経営学会誌. 4号(予定). (1999)

URL: 

Published: 1999-12-11   Modified: 2016-04-21  

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