1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10730065
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
土田 俊也 和歌山大学, 経済学部, 助教授 (30263453)
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Keywords | 資金収支情報 / キャッシュフロー計算書 / 財務諸表分析 |
Research Abstract |
本年4月1日以降に始まる会計年度から、わが国において、資金収支情報を提供する財務諸表である、「連結キャッシュ・フロー計算書」(以下、キャッシュフロー計算書)が導入されることが決まった。そこで本研究でも、このキャッシュフロー計算書に焦点を当てた。具体的には、(1)わが国のキャッシュフロー計算書の制度と諸外国の制度との比較、および(2)財務諸表利用者がキャッシュフロー計算書を分析する手法、の2点について研究を行った。 まず、(1)諸外国の制度との比較では、とくにアメリカとイギリスの制度との比較研究を行った。その結果、わが国のキャッシュフロー計算書の制度は、営業・投資・財務の3つの活動に区分する形式など、アメリカの制度とは共通点が多い一方、イギリスの制度とは、現金同等物の定義など、多くの点で異なっていることが明らかになった。 また、(2)キャッシュフロー計算書を分析する手法では、損益計算書と貸借対照表に、キャッシュフロー計算書を加えて、企業内容を分析する手法を考察した。その結果、キャッシュフロー計算書を分析に用いることによって、従来の損益計算書と貸借対照表のみを用いた分析よりも、企業の流動性や支払能力、および企業が現金を生み出す能力など、多くの面がより明確に示されることが明らかになった。
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