1998 Fiscal Year Annual Research Report
規制回避問題を中心としたリース会計制度の理論的・実証的研究
Project/Area Number |
10730066
|
Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
松浦 良行 山口大学, 経済学部, 助教授 (70274149)
|
Keywords | リース / オフバランス / 会計規制戦略 |
Research Abstract |
従来わが国では、確定決算主義の影響もあり、連結財務諸表よりも個別財務諸表の方が、制度及び情報利用者によって重視されてきた。先ごろわが国でもようやく連結財務諸表中心へと会計制度が移行したが、過去の慣習に従って経営者が意志決定を行うのであれば、統計的にも有意性を示す何かがあるはずである。 一般にリースにはオフバランス効果があるといわれ、欧米等でも企業によるその性質の利用が、ファイナンス・リースとオペレーティング・リースの選択との関係で、実証的に明らかにされてきた。我が国では、未だファイナンス・リースの資産化は強制されておらず、かつオペレーティング・リースの利用は少なくとも上場企業においては極めて限定的である。こうした中、リースの近似的オフバランス効果を検討する対象として、連単倍率を選択し、企業が個別財務諸表を重視するならば、情報利用者に負債として捉えられるリースを、脚注レベルでも連結ベースでの開示を望むという仮説を立てた。 そこで、上場全企業についてこれらに関する財務数値をデータベース化していったが、我が国の市販の財務データベースは例外なく個別ベースの数値であり、紺結ベースのものはない。 また、リース情報を入手可能な市販データベースも存在していない。こうした中、未だ検証結果を提示してはいないが、こうしたデータセットの構築は未だ他で行われておらず、その意義は大きいと考える。
|