1998 Fiscal Year Annual Research Report
複素多様体、特にアーベル多様体のファイバー空間上の複素解析的葉層構造
Project/Area Number |
10740029
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
佐伯 明洋 名古屋工業大学, 工学部, 講師 (50270997)
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Keywords | 複素解析的葉層構造 / 特異点(葉層構造の) / アーベル多様体 / 二次元正規特異点 |
Research Abstract |
アーベル多様体上のファイバー空間の、簡単ではあるが重要な例として、種数1の線織面があるが、それを少し広げて(種数が1とは限らない)線織面X→C上の葉層構造で、X内の非特異曲線C_1を不変に保つもののうち、C_1上の特異点が唯一つであるものについて研究した。(C_1上には特異点を持たないものについては、以前に調べている) C_1の自己交点数C^2_1によって様子がかなり異なり、C^2_1=0ならば特異点pは退化、C^2_1≠0ならば非退化であるが、C^2_1<0の場合はC_1を一点につぶして得られる2次元正規特異点との関連で重要である。その結果 1. C^2_1<0の場合について、いくつかの例が得られた。 2. C^2_1>0の場合について、曲線C_1がX→Cの正規化断面で、特異点pにおける2つのセパラメトリクス(そのうちの1つはC_1)が共にコンパクトかつ非特異ならば、次のいづれかが成り立つ: (1)もう一つのセパラメトリクスはX→Cのファイバー (2)C^2_1=1 ことがわかった。 更に(2)の場合は2つに大別される。 現在、より詳細な条件について調べるとともに、種数1(すなわち1次元アーベル多様体上のP^1束)の場合についで、そのような葉層構造の具体的記述を得ることに取り組んでいる。その結果が得られ次第論文にまとめる予定である。
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