1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10740033
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
守安 一峰 徳島大学, 総合科学部, 助教授 (60253184)
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Keywords | エノン写像 / 非可逆微分写像 / 公理A / 強横断性 / 擬軌道追跡性 / 安定性 |
Research Abstract |
媒質の振動が拡散してできる波の運動のモデルとして物理的にも重視されている非平衡マルチメディアの格子モデルを力学系の理論として扱うとき,高次元エノン写像の構造を調べることが重要になる.次の写像を高次元エノン型写像という. F_ε(x_1,...,x_k,...,x_n)=(x_2,...x_<k+1>,...,h(x_k)+εg(x_1,...,x_n))(x_i∈R^d) ここに,h:R^d-R^dはC^r-微分同相写像であって,g:(R^d)^n→R^dは正則なC^r-写像である.そしてh:R^d-R^dはC^r-微分同相写像である. 高次元エノン写像の族{F_ε}の力学系を解明するためには,非可逆微分写像F_0の力学系を明らかにすることが重要である.本研究目的は,高次元エノン写像の族に現れる非可逆微分写像F_0がどのような安定性を持つのかを解明することである. 本年度は,安定性の中でも弱い性質のひとつである擬軌道追跡性について研究を行った。その中で,強横断性を満たす公理A非可逆微分写像は(一様)擬軌道追跡性をもつことを示した.そして,この結果を用いることにより,F_0が強横断性を満たす公理A微分写像である場合に,F_εは(一様)擬軌道追跡性をもつことが示された。
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