1998 Fiscal Year Annual Research Report
3次元多様体上の双曲構造の変形とリーマン面のモジュライ空間
Project/Area Number |
10740036
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤井 道彦 京都大学, 総合人間学部, 助教授 (60254231)
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Keywords | 双曲多様体 / リーマン面のモジュライ空間 / タイヒミュラー空間 / デーン手術 |
Research Abstract |
Sを種数g(≧2)の閉曲面とし、CをS上の単純閉曲線とする。このとき,Thurstonの一意化定理により,(S×[0,1])、(C×{1/2})と同相となる次元双曲多様体Mが存在することがわかる。Mにおいて、C×{1/()2)}の、管状近傍がトーラスカスプとなり、Sかける{0},S×{1}の近傍がともに無限体積をもつエンドとなっている。そこで,Mのトーラスカスプにおいて,Thurstonによる(1,n)タイプの双曲的Dehn手術を施す。これによって、S×[0,1]と同相となる,3次元双曲多様体Mnを得る。Mnに対応するホロノミー表現をβn:π_1S→PSL_2Cとする。さらに、曲面SをC×{1/2}に巻きつけて得られるはめ込みfc:S→Mnを考える。このfcの,基本群上に誘導される写像(fc)_*とβnの合成Pn=βn゚(fc)_*をとる。n→∞のとき,{Pn}は(fc)_*に代数的に収束していることがわかる。この代数的極限は、McMullenにより、Teichmuller空間のBers sliceの境界上にあることがわかる。本研究では,Mを具体的に与えることにより、Pnを具体的に書き下し、上述の現象を詳しく解析できる土台を作った。
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