1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10740038
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
東條 晃次 千葉工業大学, 工学部, 講師 (30296313)
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Keywords | 等質空間 / 部分多様体 / Lie環 |
Research Abstract |
リーマン対称空間の全測地的部分多様体は、その等長変換群の(ある種の)Lie部分群の軌跡(の一部)として表されることが知られている。Riemann等質空間の完備な全測地的部分多様体はまた等質空間であるが、一般にはその等長変換群のLie部分群の軌跡とはならない。実際、今回扱うリーマン3-対称空間(にnaturally reductive Riemann metricをいれたもの)にもそのような例がある。 そこで、リーマン3-対称空間G/Kの全測地的部分多様体で、GのあるLie部分群の軌跡として表されるもののクラスを与え、さらに分類することを試みた。 リーマン3-対称空間G/Kは、Lie群:GとあるGの位数3の自己同型の固定点集合Kによって与えられるので、そこにはG-不変概複素構造Jが入ることが知られている。まず我々は、計量のG両側不変性および概複素構造Jの性質を使って ●Jに関する全複素全測地的部分多様体はGのあるLie部分群の軌跡として表される。全実全測地的部分多様体で次元が半分のものも同様の性質をもつ ことを示した。さらに後者のものについてはG/Aがリーマン対称空間となるようなLie部分群Aの軌跡となることを示した。これはエルミート対称空間の(半分次元の)全実全測地的部分多様体についてのTakeuchiの結果の類似がここでも成り立つことを示唆しているが、実際それが正しいことを我々は示した。Takeuchiの結果は、上で述べた部分多様体と第1種の階別Lie環を結びつけるものであった。我々の結果は ●第2種の階別Lie環から(ある方法によって)コンパクトなリーマン3-対称空間の半分次元をもつ全実全測地的部分多様体が構成される。逆に、任意のそのような部分多様体は必ずこのようにして得られる。ただし、Kの中心の次元が0でないとする。 というものである。これによって、このような部分多様体を分類することができる(第2種の階別Lie環は分類されている)。
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