1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10740039
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
林 忠一郎 学習院大学, 理学部, 助手 (20281321)
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Keywords | 結び目 / 3次元多様体 / ヒーガード分解 / 橋表示 / キャンセラブル / スタビライズド / ラミネーション / アフィンラミネーション |
Research Abstract |
3次元多様体内に適切に埋め込まれた1次元多様体に対してヒーガード分解を定義した。それは3次元多様体のヒーガード分解と絡み目の橋表示を拡張したものである。3次元球面内の結び目の種数1橋数1表示もその特別な場合となる。さらに、2橋結び目は種数1橋数1表示を持つ。 ソリッドトーラス内のコアループのヒーガード分解のアンビエントアイソトピー類を完全に分類した。特にいつでもキャンセラブルであることが分かった。すなわち、コアループはヒーガード曲面上に交点を増やさないアンビエントアイソトピーによってパラレルである。また、ヒーガード曲面の種数が2以上であり、コアループがヒーガード曲面に無駄な交わり方をしていなければ、ヒーガード分解はスタビライズドであることが分かった。以上は東京大学の下川氏との共同研究である。この結果は3次元球面内の結び目のヒーガード分解のアンビエントアイソトピー類の分類に役に立つ。これを用いて、現在、2橋結び目のヒーガード分解のアンビエントアイソトーピー類の分類を研究中である。さらに種数1橋数1結び目のヒーガード分解のアンビエントアイソトピー類の分類に結果を拡張できれば、当該研究の目標の一つである種数1橋数1結び目の3次元球面内のアンビエントアイソトピー類の分類に繋がる。 種数1橋数1結び目に沿ったデーン手術を研究するために、本質的ラミネーションの手法を用いる。その基礎研究として、結び目の射影図に対して綺麗な位置に有る分岐曲面がアフィンラミネーションを携えるための必要十分条件を得た。これはノーステキサス大学のプリッテンハム氏、奈良女子大学の小林氏、東京大学の下川氏、大阪大学の平澤氏との共同研究である。また、アフィンでないラミネーションに関しても研究を進めているところである。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Chuichiro Hayashi: "Stable equivalence of Heegaard splittings of 1-submanifolds in 3-manifolds" Kobe Journal of Mathematics. 15. 147-156 (1998)
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[Publications] Chuichiro Hayashi and Koya Shimokawa: "Heegaard splitting of the trivial knot" Journal of Knot Theory and Its Ramifications. Vol.7,No.8. 1073-1085 (1998)
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[Publications] Chuichiro Hayashi: "Genus one 1-bridge positions for the trivial knot and cabled knot" Mathematical Proceedings of the Cambridge Philosophical Society. 125. 53-65 (1999)