1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10740042
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
阿原 一志 明治大学, 理工学部, 講師 (80247147)
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Keywords | curve shortening / hyperbolic / 曲面の基本群 / word problem |
Research Abstract |
カーブショートニング問題とはもともと完備な曲面上の偏微分方程式の初期値問題である。本研究では、曲面に計算を考えるかわりに曲面の胞体分割を1つ固定し、カーブショートニング問題に類似を考える。ここでいう類似とは、微分方程式を差分スキームで近似する、といった従来のものとは異なり、胞体分割された面に一様な幾何構造が入っていると見なした上で問題を離散化(組合せ化)して考える。 本研究では主に次の2つの結果を得た。1つは、胞体分割がorthogonal(=各頂点に4本の辺が集まる。)かつhyperbolic(=各面は5角形以上)かつ、各面が偶数角形ならば、カーブショートニング問題の類似たるべき、完備で合流型の語書きかえ系が存在することを示した。2つ目は、胞体分割がtrivaleprt、not-spherical(=各頂点に3本の辺が集まり、各面は6角形以上)かつ各面が偶数角形ならば、同様の語書きかえ系が存在することを示した。 この結果は、リーマン面上の曲線の可視化問題、ある種のArtin群の語問題など、巾広い応用が考えられる。
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