1998 Fiscal Year Annual Research Report
グラフの直線埋込問題および関連する計算幾可学・離散幾可学の問題に関する研究
Project/Area Number |
10740047
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
徳永 伸一 東京医科歯科大学, 教養部, 講師 (30282734)
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Keywords | 直線埋め込み / rooted tree(根付き木) |
Research Abstract |
研究代表者は以前、M.Perles氏の予想を解決する形で、「頂点数nのrooted tree(根付き木)は任意に与えられた平面上のn個の点の集金上に、rootの像となる点を任意に指定しても直線埋め込み可能である」いう定理を証明した(実際に証明したのはもう少し強い定理だが詳細は省略する)。1997年に加納幹雄茨城大教授と金子篤司工学院大助教授は、この定理を少し拡張し、「2本のrooted treeからなるforest(林)」に対しても同様の命題が成立することを証明した。さらに両氏は、「3本のrooted treeからなるforest」に対しても同様の命題が成立することを予想した。本研究において、研究代表者はこの予想に対し、まず反例を構成することで否定的に解決した。4本以上のrooted treeからなるforestに対して同様の命題が成立しないことを示す例は以前から知られており、これにより同種の問題に対して一応の決着がついたことになる。次に予想の命題における仮定の条件を弱め、rootの像となる3点の交換を許す修正版の命題について研究した。その結果、この修正版については所望の直線埋め込みが存在することを証明した。これらの結果は日本数学会総合分科会、日本情報処理学会および「計算幾何学に関するカナダ会議」(於モントリオール)において、研究代表者と加納、金子両氏との連名で発表された(論文は現在作成中)。さらに研究代表者らは上記修正版の命題についても、より拡張された強い予想を提示し、目下研究中である。
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