1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10740051
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吉田 伸生 京都大学, 大学院理学研究科, 講師 (40240303)
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Keywords | 格子スピン系 / 混合条件 / 対数Soboler不等式 / Glavber dynamics |
Research Abstract |
スピン変数が非有界な格子スピン系の混合条件について研究を行った。研究のテーマは2つある。一つは有限体積Gibbs stateに対する混合条件-典型的には相関関数の指数減衰によって定式化される-と、対応する時間発展モデル-非平衡なスピン配置が平衡状態へと緩和する様子を記述する-との関係を明らかにすること。もう一つは具体的な場合についてその混合条件の成立を示すことである。主な成果は次の3点である; (1) 有限体積Gibbs stateに対するlog-Sobolev不等式が体積、境界条件両方について一様に成立すると仮定すると、非平衡なスピン配置は極めて速く(体積に無関係に指数的)平衡状態へと緩和することを証明した。 (2) 一般に次の3条件(a)-(c)が同値であることを証明した;(a)有限体積Gibbs stateに対するlog-Sobolev不等式が体積、境界条件両方について一様に成立する。(b)有限体積Gibbsstateに対するPoincare不等式が体積、境界条件両方について一様に成立する。(c)有限体積Gibbs stateについての相関関数が体積、境界条件両方について一様に指数減衰する。更にここで示された同値性により(1)で示した命題の逆も正しいことが分かる。 (3) (2)で述べた互いに同値な3条件が実際に成立するか否かの判定条件(その判定条件も実は(2)で述べた(a)-(c)の各々と同値)を提示し、それが高温相で成立することを示した。
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