1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10740084
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
太田 雅人 静岡大学, 工学部, 助教授 (00291394)
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Keywords | 非線形波動方程式 / 解の特異性 / 爆発 / 大域存在 / 大域非存在 / 臨界冪 |
Research Abstract |
半線形波動方程式および連立系の解の特異性および爆発問題に関して、以下のような研究を行なった。 1. 平成10年10月7日から11日までカナダ、ウィニペグで開催された国際会議「International Conference on Operator Theory and its Applications to Scientific and Industrial Problems」において本研究の出発点となった筑波大学の高村博之氏との共同研究の成果を発表し、さらに今後の研究方針を探るため多数の参加者と討論を行なった。 2. 東京大学の中西賢次氏との共同研究として、波動写像型非線形項をもつ非線形波動方程式の大域的可解性について調べ、任意の滑らかな初期値に対して滑らかな大城解が存在するための非線形項に対する必要十分条件と小さな初期値に対する初期値問題が大域的に適切となるための解の滑らかさに関する関係について最良の結果を得た。 3. 空間2または3次元における正値冪乗型非線形項をもつ半線形波動方程式系で、非線形項が未知関数のみに依存しそれらの導関数には依存しない場合に、小さな初期データに対する初期値問題の古典解の大城存在または非存在について、静岡大学の久保英夫氏と共同研究を行なった。 (1) まず、波の伝播速度が等しい場合に、大域存在と非存在に関する臨界冪をもつとき、劣臨界冪の場合と同じく、任意の小さなデータに対しても有限時間内に爆発する解が存在すること、およびデータの小ささを表すパラメータを用いて解の最大存在時間に関する評価を得た。 (2) 次に、波の伝播速度が互いに異なる場合に、伝播速度の違いが、小さな初期データに対する初期値問題の古典解の大域存在または非存在に関して、臨界的状況の下で、どのような影響を及ぼすか、という問題に興味を持ち、現在も研究を続けている。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Masahito Ohta: "Remarks on blowup of solutions for nonlinear evolution equations of second order" Advances in Mathematical Sciences and Applications. 8・2. 901-910 (1998)
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[Publications] Masahito Ohta: "Remarks on the blow-up boundaries and rates for nonlinear wave equations" Nonlinear Analysis. 33・7. 693-698 (1998)
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[Publications] Kenji Nakanishi: "On global existence of solutions to nonlinear wave equations of wave map type" Nonlinear Analysis. (発表予定).