1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10740092
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
田中 尚人 福岡大学, 理学部, 助教授 (00247222)
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Keywords | 境界層方程式 / 圧縮性流体 |
Research Abstract |
1904年にL.Prandtlによって提案された境界層方程式の数学的解析は1960年代のO.A.Oleinik,P.C.Fefeらの精力的な研究によって非圧縮性流体の場合には解の存在定理、漸近挙動およびもとのNavier-Stokes方程式との間の漸近関係等の基本的な結果がすでに得られている。しかしながら圧縮性流体の場合には対応する結果は皆無である。本年度はこれらの一連の研究目標の第一段階として流体が定常流の場合の解の存在定理を示すことに成功した。方法は非圧縮性流体の場合のO.A.Oleinik(1963)にしたがって、まずvon Mieses変換を施して問題を退化放物型方程式の初期値-境界値問題に変換する。これを正則近似した正則放物型方程式の初期値-境界値問題の解の存在および一様評価から、これの極限関数としてもとの問題の解を構成するものである。この結果は現在出版準備中である。来年度は得られた解の漸近挙動および非定常の場合の解の存在定理に関する研究を行う予定である。
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