1998 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロレンズアレイを用いた近赤外線三次元分光器の製作
Project/Area Number |
10740096
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
菅井 肇 京都大学, 大学院理学研究科, 助手 (50291422)
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Keywords | 三次元分光器 / 近赤外線 / マイクロレンズ / リトロー |
Research Abstract |
可視光におけるマイクロレンズアレイ分光器製作の経験と、赤外線観測機器開発の経験を活かし、赤外線マイクロレンズアレイ分光器を実現するというのが、この研究の課題である。本年度は、目的天体の種類や狙う波長域の検討から、それに最適化したパラメータの決定を行い、さらに詳細設計を行った。マイクロレンズアレイを用いた三次元分光器の心臓部であるマイクロレンズアレイのタイプ/材質の選定や、その設計もこれに含まれる。マイクロレンズアレイ、グレーティング、アクロマートレンズ等の購入も済み、現在、分光器の組み立て・調整を行っている。 我々の分光器は汎用性を備えるため、つまり手軽に様々な望遠鏡に取りつけられる機動性を備えるため、コンパクトにまとめるための工夫が施されている。とくにリトロー系の導入が独創的であると考えている。分散素子であるグレーティングに対する入射光と出射光が同じレンズ系を通るシステムを採用したため、コンパクトな構造になっている。これにより、入射光と出射光のなす角度を小さくすることにもなり、高い効率の実現にも役立っている。 今後の課題としては、冷却実験を含めた光学系調整が大事になる。マイクロレンズアレイ分光においては、多瞳の位置の安定性が重要となるからである。分光器完成後には、HII領域等銀河系内ガス雲の観測を実行し、こられの構造を理解した後、最終目標である、活動銀河の観測を行う予定である。
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