1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10740106
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山田 洋一 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (00281965)
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Keywords | 超対称性 / ヒッグス粒子 / 量子補正 / 余次元 |
Research Abstract |
今年度の実績は2種類に分類される。これらは雑誌に発表済、または投稿中である。 まず、昨年度に続き、超対称標準理論の枠組みで、新粒子の崩壊に関する以下の研究を行った。 1.第3世代に属するレプトンの超対称パートナー(スレプトン)のうち、質量の重い粒子がより軽いスレプトンに崩壊する過程を調べ、理論のパラメータへの依存性などを見た。 2.ヒッグス粒子の、ボトムクォーク、およびボトムスクォークへの崩壊は、理論のパラメータの値によって、現象論的に重要となる。しかしこのとき、これらの崩壊幅へのQCD量子補正を与える既知の式は、収束性が極めて悪くなる。私は、この問題の理論的原因を分析し、くりこみ処方を改良することで、収束性を改善した。 また、近年大きな関心を受けている可能性として、普通の4次元時空と直交した、コンパクト化した余次元の寸法を大きく取ることによって、素粒子のすべての相互作用が統一される大統一スケールを従来より大きく下げる試みがある。これに関する以下の研究を行った。 3.上の試みの一つとして、標準理論のゲージ粒子が余次元を運動できる模型がある。この模型を、近い将来の加速器実験で、ゲージ粒子の励起状態の生成を用いて検証する方法を分析した。 4.超対称標準理論で、クォークやレプトンの世代間の混合する相互作用が小さいことを説明する方法として、これらの粒子の超対称パートナーのうち、最初の2世代に属するものを極めて重くする模型がある。従来の、大統一スケールが標準理論のスケールより極めて大きい枠組みでは、この模型は理論や宇宙論の面で都合の悪い問題点があるが、大統一スケールを大きく下げることで、これらが改善されることを示した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] A.Bartl, et al.: "SUSY-QCD corrections to top and bottom squark decays into Higgs bosons"Physical Review D. 59. 115007 (1999)
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[Publications] M.M.Nojiri and Y.Yamada: "Neutralino decays at the CERN LHC"Physical Review D. 60. 015006 (1999)
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[Publications] A.Bartl, et al.: "Impact of bosonic decays on the search for <T_2>^^^〜 and <V_t>^^^〜"Physics Letters B. 460. 157-163 (1999)
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[Publications] P.Nath, Y.Yamada and M.Yamaguchi: "Probing the nature of compactification with Kaluza-Klein excitations at the Large Hadron Collider"Physics Letters B. 466. 100-106 (1999)