1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10740120
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
加藤 龍好 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (20273708)
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Keywords | ウェーク場 / バンチ圧縮 / 高輝度電子ビーム / 電子ライナック / 単パンチ / 加速管 / コヒーレント放射 |
Research Abstract |
本研究は、高輝度電子ビームが加速管内に誘起するウェーク場を用いて、1本の加速管で電子バンチの加速とエネルギー変調を行い、磁気パルス圧縮を用いて短バンチ化を実現することを目的としている。研究は、各種シミュレーションプログラムの作成と加速器制御系の開発、バンチ圧縮実験から構成される。本年度はその中で、プログラムの作成と計算機制御系の開発を行った。プログラム開発としては、(1)電子自身が誘起するウェーク場と外部RF源により励振される加速電場の重ねあわせが線形な傾きの電場となるバンチ形状を求めるプログラム、(2)阪大産研Lバンドライナック入射部での電子ビーム集群過程のビームダイナミクスとバンチ形状の計算プログラム、(3)このバンチ形状とエネルギー分散をもった電子ビームをアク口マテック偏向系でバンチ圧縮したときのシミュレーションプログラム、(4)圧縮後の短バンチから放射されるコヒーレント放射光スペクトルの計算プログラム、の4つのプログラムを作成した。また、現在阪大産研のLバンドライナックはすべてマニュアルで制御されている。このことは定量的な実験や実験結果の再現性という点で研究の妨げになっている。そこで、(5)ビーム輸送路上の偏向電磁石、4極電磁石、ステアリングの各電源をパーソナルコンピューターから制御及びモニターできる制御系を開発した。このパーソナルコンピューターを用いた制御系は、小規模な加速器システムの制御を簡便かつ安価に構築できる特性をもつ。また、汎用性に富んでいるので加速器以外のシステムにも利用可能である。
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