1998 Fiscal Year Annual Research Report
ストレンジB中間子混合測定の為の人工単結晶ダイヤモンドピクセル検出器の開発
Project/Area Number |
10740122
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
羽澄 昌史 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20263197)
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Keywords | 素粒子物理 / ストレンジB中間子 / 人工単結晶ダイヤモンド / ピクセル検出器 / 崩壊点検出器 |
Research Abstract |
ストレンジB中間子混合(B^0_S、-B^^-^0_S混合)の大きさの測定に必要な位置分解能を実現するためには、衝突型加速器の衝突点から1cm以内でも長期使用可能な高耐放射線性検出器が必要である。本研究の目的は、このために、人工単結晶(CVD ではない)ダイヤモンドを用いたピクセル型位置検出器の開発を行い、従来型検出器との比較を行うことにある。さらに、得られた結果をもとに、次世代の衝突型加速器を想定したモンテカルロシミュレーションを行い、最適な崩壊点検出器のデザインを考察することにある。今年度は、2.5mm角の合成ダイヤモンド単結晶(住友電子工業伊丹製作所が製作)に、電極として、チタン、白金、金の3層構造を用い、Sr90ベータ線源に対する応答を調べた。その結果、シグナルを観測することが出来た。しかし、窒素濃度1ppm以下という高純度のダイヤモンドを用いたにもかかわらず、分極現象による計数率の低下が観測された。対策として、電極の改善が考えられる。並行して、GEANTをもとにしたモンテカルロシミュレーションによる崩壊点検出器デザインの研究を行った。KEK-Bファクトリーを例にとり、検出器を、よりビームの近傍に設置したときの位置分解能を調べた。その結果、現行のデザイン(測定器の位置が、最も近いところで、ビームから約3cm)と比べ、半径を半分(約1.5cm)にすると、崩壊点の位置分解能が、20ないし30%向上することが解った(値はB中間子の崩壊様式に依存する。ここで調べたのは、CP非保存を測るために重要と考えられているJ・/ψKsとD'D'である。
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