1998 Fiscal Year Annual Research Report
大強度ビームを用いた荷電K中間子の稀な崩壊過程の研究
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10740132
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Research Institution | The High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
小松原 健 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助手 (30242168)
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Keywords | 大強度ビーム / K中間子 / 稀崩壊 / E787実験 / E949実験 / 陽子加速器 / 分岐比 |
Research Abstract |
本研究は、陽子加速器AGSの大強度K^+中間子ビームとE787実験の測定器を用いて、K^+→π^+νν^^-崩壊の分岐比をより良い精度で測定しようというものである。1.E787実験が平成8年と9年に収集した21週間のデータの解析の作業は現在も継続中であり、来年度中に結果を雑誌論文として発表する予定である。解析ソフトウェアの開発により、バックグラウンドの除去能力が約三倍向上した。崩壊分岐比の感度は約1.7×10^<-10>に達すると推定されている。2.今年度の6月から12月までの間に約20週間のデータ収集を行ない、E787実験としてのAGSのマシンタイムを終了した。大量のデータを解析するための高速のオフライン解析システムの開発と測定器のキャリブレーション作業を行なっている。来年度にこのデータの本格的な解析が行なわれる。3.平成11年以降も実験を継続し崩壊分岐比の測定精度をさらに高めるため、ビームラインと測定器の研究を行ない、実験プロボーザルとしてまとめた。このプロポーザルはAGSの実験審査委員会で正式に承認され、E949実験と名付けられた。E949実験は平成12年度よりデータ収集を開始する予定である。4.以上の成果は、日本物理学会1998年秋の分科会(平成10年10月、秋田大学)でのシンポジウム講演及び第17回弱い相互作用とニュートリノに関する国際ワークショップ(略称WIN99、平成11年1月、ケープタウン)での講演で口頭発表され、WIN99国際ワークショップ会議録(平成11年出版予定)の論文として発表される。
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