1998 Fiscal Year Annual Research Report
低バックグラウンド液体シンチレーション検出器を用いた宇宙暗黒,物質の探索
Project/Area Number |
10740134
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Research Institution | The High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
伊藤 寛 高エネルギー加速器研究機構, 放射線科学センター, 助手 (50300679)
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Keywords | Dark Matter / Super Symmetry / Liquid Scintillator |
Research Abstract |
渦巻銀河の回転曲線の観測等から存在が指摘されているDark Matterの候補として、既知及び未知の素粒子が提案されている。これらの素粒子は、宇宙初期に生成され、その後宇宙の膨張によって物質との熱平衡状態からdecoupleして現在まで存在していると予想される。特に超対称性理論で予想されるニュートラリーノと呼ばれる粒子は宇宙の構造進化を考えた上でも有力な候補である。もし、ニュートラリーノがDark Matterであれば地球上に置いた検出器中の原子核との断性散乱により検証することが可能である。 本研究では、液体シンチレータを検出器として用い、それに含まれる原子核との弾性散乱を検出することにより検証行なう。 ただし期待される、Dark Matter-原子核弾性散乱の確率が非常に小さいため、信号のBack Groundとなる天然の放射性同位元素の混入を避けるよう検出器の容器には石英を用いた低バックグラウンド液体シンチレーション検出器を製作した。 また、Dark Matterは原子核との相互作用になるため原子核recoilをうまく測定しなければならないが、この測定の際のBack Groundであるγ線による電子recoilの信号を液体シンチレータの発光波形を用いて判別出来ることを確認した。また、シンチレーションを検出するのに用いる光電子増倍管のDark Currentに起因するBack Groundも波形により判別出来ることを確認することができた。
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