1998 Fiscal Year Annual Research Report
極性カロテノイド同族体の非線形光学特性に関する研究
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10740145
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
橋本 秀樹 静岡大学, 工学部, 助教授 (50222211)
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Keywords | カロテノイド / 極性カロテノイド / 非線形光学 / 電場変調分光 / 3次非線形性 |
Research Abstract |
生理活性ポリエンを用いた三次非線形光学材料の開発を目指し、一連の共役鎖長を持つカロテノイド同族体(アルデヒドあるはケトン体)に電子吸引性のインダン-1,3-ジオン基を導入した新規極性カロノイド同属体を合成し、分光測定を行った。具体的には、β-イオノン(二重結合数n=3)を出発原料として、Horner-Emons反応、Wittig反応およびアルドール縮合を繰り返すことによりn=4〜8の一連の共役鎖長を有するカロテノイド同族体(C15,C17,C20,C22,C25アルデヒドとC18,C23ケトン)を合成した。さらに、これら同族体とインダン-1,3-ジオンとをKnaevenagel型縮合反応を用いて縮合し、n=4〜8を有する一連の極性カロテノイド同族体(C15,C17,C20,C22,C25インダン)を合成した。三次非線形感受率を決定する二次の分子超分極率の大きさは、対象とする極性カロテノイド分子の(1)モル吸光係数(振動子強度)の大きさと(2)力ロテノイド同族体と極性カロテノイド同族体の極大吸収エネルギーの差に依存する。吸収スペクトル測定を行い、二重結合数と最大モル吸光係数および吸収極大エネルギーとの関係を調査したところ、二重結合数が7の極性力口テノイド(C22インダン)が今回合成した極性カロテノイド同族体の中で最大の三次非線形性を示す可能性が有ることが指摘された。現在、実際に三次非線形性を評価するための電場変調分光計測システムの開発を行っている。二枚の透明電極の間にポリマー膜中に分散した極性カロテノイド同族体試料を挟み込み、交流電場を印加することにより生じる僅かな吸収スペクトルの変化を測定することにより、初期的ではあるが、変調信号の検出に成功している。今後、極低温に置ける吸収・反射スペクトル測定等と組み合わせることにより、三次非線形感受率の定量を行う予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Hideki Hashimoto: "Observation of Solitonlike Excitations in All-trans-β-Carotene Single Crystals" Jpn.J.Appl.Phys.37. 1911-1918 (1998)
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[Publications] Tokutake Sashima: "The 2^1A_g^- energy of crystalline all-trans-spheroidene as determined by resonance-Raman excitation profiles" Chem.Phys.Lett.290. 36-42 (1998)
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[Publications] Hideki Hashimoto: "Molecular and Crystal Structures of 2-(All-trans-Retinylidene)-Indan-1,3-Dione" Jpn.J.Appl.Phys.37. 4609-4615 (1998)
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[Publications] Hideki Hashimoto: "The Photochemistry of Carotenoids : Application in Biology" Kluwer Academic Publishers (in press), (1999)