1998 Fiscal Year Annual Research Report
有機エピタキシーにおける不完全配向界面の微視的構造解析
Project/Area Number |
10740148
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
星野 聡孝 京都大学, 大学院理学研究科, 助手 (80263151)
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Keywords | エピタキシー / 超薄膜 / 電子顕微鏡 / 界面構造 / 配向性 / 格子整合 |
Research Abstract |
透過型電子線回折法,および高分解能透過型電子顕微鏡法により有機エピタキシャル超薄膜の界面構造の観察を行うためには,電子線による試料のダメージを最小限に抑える必要がある.そこで,本年度は,特に必要なタイミングにおいてのみ電子線を照射し像を記録するために,MDSシステム,CCDカメラシステム,電子顕微鏡などを有機的に統合・制御するシステムの構築を行った.具体的には,装置制御用,および画像解析用として外部コンピュータをそれぞれ一台ずつ導入し,すべてのコンポーネントをこの制御用コンピュータでコントロールできるようにシステムを組み,制御用ソフトウェアの整備を行った.これにより,CCDカメラシステムからのビデオ信号もコンピュータ内へ必要なタイミングで取り込めるようになり,イメージングプレートへの像記録もコンピュータから電子顕微鏡をコントロールすることによって可能となった.またこの他に,試料作製のための超高真空蒸着装置の改良を行い,薄膜試料を作製するための基板結晶を超高真空中で劈開可能なようにし,常に清浄な基板表面を作製することが可能となった. 来年度は,この改良された超高真空蒸着装置を用いて実際に試料を作製し,新たに構築した電子顕微鏡観察システムを運用して,有機エピタキシャル超薄膜界面構造の観察を行う予定である.具体的には,透過型電子線回折法により結晶性及び配向性の確認を行うと同時に,高分解能透過型電子顕微鏡法により格子像・分子像の直接観察を行い,分子レベルでの構造解析を行う.また,ここで明らかにされた界面構造がエネルギー的に安定であるかどうかを調べるために,atom-atom potential methodに基づいた界面エネルギー計算を行う予定である.
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