1998 Fiscal Year Annual Research Report
分子性導体における低温高圧下でのX線単結晶構造解析
Project/Area Number |
10740185
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山浦 淳一 東京大学, 物性研究所, 助手 (80292762)
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Keywords | 分子性導体 / 高圧下単結晶構造解析 |
Research Abstract |
1. 研究の目的 本研究は、分子性導体を主な対象として、低温、高圧下で定常的に、実験室レベルで単結晶構造解析を行う試みである。 2. 今年度の研究によって得られた新たな知 高圧セルを用いて単結晶構造解析を行うためには、X線が高圧セルを通過するときに発生する散乱X線をいかに除くかということにあるが、様々な方法を検討した結果、セルのみの散乱をバックグランドとしてセルと試料からの回折データから差し引く手法が最も簡便で有用であることが判明した。 このために、使用する装置としては、回転対陰極型強力X線発生装置とイメージングプレート型X線回折計を組み合わせたものを実験に用いている。当初は、BeCu製の高圧セルを用いて検討を行ってきたが、BeCu製の高圧セルは、X線による散乱が非常に大きく、回折強度の大きい試料でないと、今回試みた方法でも精度の良い回折データを得るのが困難である。従って、最高到達圧力は下がるが、X線による散乱がより少ない純Be製のX線用圧力セルを新たにデザイン、購入した。このセルを用いて精度の良いデータ収集が可能になることが期待される。現在、装置へのセットアップについて検討を行っている。 3. 今後の展開 来年度前半には、前述のBe製高圧セルを用いて実際に回折データを収集し単結晶構造解析を試み、通常の構造解析との比較検討を行う。また、次の段階としてダイヤモンドアンビルを用いた圧力セルを現在設計中で、これを来年度の予算で購入の予定である。
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