1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10740196
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
中原 明生 日本大学, 理工学部, 助手 (60297778)
|
Keywords | 粉粒体 / 1 / fゆらぎ / パワースペクトル / パイプ流 |
Research Abstract |
1/fゆらぎは電気回路、ハイウェーでの交通渋滞、粉粒体の流れなど、様々なところで観測されるが、詳しい発生メカニズムはいまだきちんとは分かっていない。本研究では、1/fゆらぎが自己組織化されて発生したのか、またはなんらかの相転移に絡んで発生したのか、を調べる実験例として、鉛直に立てたパイプ中を流れる粉粒体の密度ゆらぎを選び、粉粒体の数密度などをパラメーターとして変化させた際に粉粒体の流れの時間・空間構造がどう変化するかを調べた。具体的には、高速度ビデオカメラを用いてパイプ中の粉粒体の流れを画像として取り込みコンピューターで画像解析したところ、粉粒体の数密度が低い時は粉粒体の流れがほぼ自由流となっているが、数密度が多くなると混雑流へと転移することが分かった。また、時間構造を解析することにより、自由流から混雑流へと変化する中間密度領域においてパワースペクトルP(f)が1/fゆらぎに従うことがわかった。しかし、同時に行った空間構造の解析によると、l/fゆらぎの発生時の散乱関数S(k)はべき的ではなく空間構造は臨界的(フラクタル的)にはなっていないことも分かった。これは、1/fゆらぎの発生が渋滞・非渋滞相転移の臨界性から来ているのではなく、むしろ粉粒体の密度波(クラスター的な密度ゆらぎ)の伝播速度のゆらぎ(間欠性)が関与していることを示唆する結果となった。
|
-
[Publications] Akio Nakahara: "1/f noise in pipe flow" NATO ASI Series E : Applied Sciences. 350. 533-538 (1998)
-
[Publications] Akio Nakahara: "1/f noise in granular flow through a pipe" AIP Conference Proceedings : Slow Dynamics in Complex Systems. (1999)