1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10740198
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Research Institution | The High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
大友 季哉 高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 助手 (90270397)
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Keywords | 非晶質合金 / 中性子非弾性散乱 / 原子振動の伝播 |
Research Abstract |
申請者は、これまでに中性子非弾性散乱実験により"フォノン"分散をNi_<67>Zr_<33>非晶質合金において観測している。これより、分散曲線が原子振動状態密度における平均の振動エネルギー付近を中心として減衰振動していることがわかった。短波長になればなるほど原子構造に敏感になるはずで、短波長原子振動のメカニズムを明らかにすることにより非晶質物質の構造について知見を深める事が本研究の目的である。昨年度は、Ni_<33>Zr_<67>非晶質合金およびNi_<33>Zr_<67>結晶粉末合金を作製し、そのフォノン分散曲線を中性子非弾性散乱により測定した。本年度は、Ni_<67>Zr_<33>非晶質合金との比較による非晶質合金におけるフォノン分散の組成依存性を、フォノン・ライフタイムと減衰振動に着目して詳細に比較・検討を行い、非晶質合金と粉末合金の相違は大きく、非晶質相の短範囲構造は結晶相のそれと全く異なることがわかった。このことはこれまで考えられていたことに反した新しい知見である。一方で、石英ガラスの場合にはフォノン分散は高い波数領域まで音響フォノン的であり、同様の波数領域では光学フォノン的になるNi-Zr非晶質合金とは大きく異なっていることがわかっている。また石英ガラスの場合、結晶相(クリスタバライト)とガラス相のフォノン分散は類似している。これら、Ni-Zr非晶質合金と石英ガラスのフォノン分散の相違は、動的な相関長という非晶質物質においては全く新しい構造スケールの相違であると考え、動的相関長の導出を試みている。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] T. Otomo, M. Arai 他: "Observation of collective excitations in the avnorphous alloy Ni_<67>Zr_<33>"J. Non-cryst. Solids. 232-234. 613-618 (1998)
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[Publications] M. Arai, T. Otomo 他: "Novel coexisting of collective propagating mode and strongly localized mode in vitreous silica"Physica B. 263-264. 268-272 (1999)
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[Publications] Y. Inamura, M. Arai, T. Otomo 他: "Peculiar suppression of the specific heat and boson peak intensity of densitied SiO_2 glass"Physica B. 263-264. 299-302 (1999)
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[Publications] T. Otomo 他: "Installation of a new small/wide angle neutron diffractmeter at KENS"J. Phys. Chem. Solids. 60. 1579-1582 (1999)
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[Publications] M. Arai, Y. Inamura, T. Otomo: "Novel dynamics of vitreous silica and metallic glass"Philosophical Mag.. B79. 1733-1739 (1999)