1998 Fiscal Year Annual Research Report
太陽風パラメータの急激な変動に伴う電離圏対流ダイナミクスの研究
Project/Area Number |
10740231
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
西谷 望 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助手 (10218159)
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Keywords | 惑星間空間磁場 / 電離圏対流 |
Research Abstract |
惑星間空間磁場(IMF)が急激に北向きから南向きになった時の電離圏対流のダイナミクスについて、イベント解析と統計解析の両面から研究を進めた。まず、従来から注目していた1995年9月5日の17-18UTに起こった、IMF南北成分が+6nTから-19nTに急激に変化したイベントについて、詳細な解析を行った。今年度中に得られた成果は次の通りである。 1. 電離圏対流と同時刻の極域地上磁場変動のデータを解析し、従来電離圏対流中に発見されていた二段階の応答が、磁場変動から求められる電離層等価電流流系にも存在することを突き止め、今まで研究代表者が主張してきた二段階応答の仮説に対するより堅固な状況証拠を示した。 2. 研究代表者が主張している二段階応答のうち、二番目の応答が夜側で起こるサブストームに伴う磁気圏・電離圏電流システムのつなぎかえとは無関係であることを、広域地上磁場データを解析することにより示した。 一方で、IMFが南向きに急激に変化した時の電離圏ダイナミクスに関して変動の振幅依存性等のより詳細な傾向を明らかにするために、数多くの例を使用する統計的な解析の準備を進めた。具体的には、長期間にわたるSuperDARNデータの収集・整理を進めるとともに、WINDによる惑星間空間磁場の条件探索を行った。その結果、太陽活動の活発化に伴い、1997年以降に急激なIMFの南北成分の変動を見せるイベントが数多く存在することを見出し、今後数年間に取得されるデータの解析が有望であることを示すと同時に、次年度で本格的に行う研究の基盤を完成させた。
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[Publications] Ogawa, T., N.Nishitani, M.Pinnnock, et al.,: "Antarctic HF radar observations of irregularities associated with polar patches and auroral blods :" J.Geophys.Res.103・A11. 26547-26558 (1998)