1998 Fiscal Year Annual Research Report
磁気圏-電離圏-中性大気層-固体地球電磁結合系での地磁気脈動
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10740233
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
吉川 顕正 九州大学, 理学部, 講師 (70284479)
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Keywords | 磁気圏-電離圏結合 / アルヴェーン波 / 磁気音波 / ホール効果 / 発散ホール電流 / 多段階ホール効果 |
Research Abstract |
1. 磁気圏-電離圏-中性大気層-固体地球-電磁結合系での、Alfven波の電離層人反射過程に伴う8つの波動要素:(Alfven波に付随した沿磁力線電流、磁気音波に付随した回転電流、電離層での発散Hall-Pedersen電流、回転Hall・Pedersen電流、中性大気中のTM導波モードに付随した発散変位電流、TE導波モードに付随した回転変位電流)に付随した電流の物理的性質を明らかにした。周波数-波長-電離層伝導度パラメータ空間での分布を調ベることより、PC3-4レンジのULF波動については、電離層が高伝導度(10mho以上)になると発散Hall電流のみが卓越し、その他の電流は小さく抑えられることが発見された。発散Hall電流の卓越に付随したその他の電流の遮蔽効果は、地磁 気脈動にも如実に現れ、Pc3-4、Pc5の周波数帯グループごとの、夏-冬程度の電離層伝導度変化に対する異なるレスポンスとして出現することが予測される。高緯度南北磁気共役点で得られた、コヒーレンスの高い磁力線振動と思われる脈動の解析結果は、これらの理論的予測を見事に支持するものとなった。 2. 通常冷たいプラズマの支配する系においては、Alfven波は磁力線と垂直方向に分散的性質をもたず、付随する発散電場を磁力線と垂直方向に伝播させるメカニズムを持たないとされている。 我々は、発散電場の水平方向への物理機構を、発散電場と回転電場の他段階Hall効果による結合に求め、磁気圏-電離層結合系で、Alfven波が、電離層と垂直方向に伝播する可能性を探った。その結果、Alfven波が付随した磁力線振動は、境界条件(磁気音波や、中性大気中電磁波との結合)からもたらされる磁力線と垂直方向の分散関係をもち、その垂直方向のエネルギー伝播群速度を具体的に導出することに成功した。この応用研究については、来年度実施予定である。
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[Publications] M.Itanaga,A.Yoshikawa and K.Yumoto: "Transient respanse of non-uniform equatorial ionsphere to compressional MHD wares" Journal of Atmospheric and Solar-Terrestrial Physics. Vol60,No.2. 253-261 (1998)