1998 Fiscal Year Annual Research Report
海水準上昇による侵食面およびラグ堆積物の形成過程-地球温暖化のアナロジーとして
Project/Area Number |
10740245
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
村越 直美 信州大学, 理学部, 助手 (80270966)
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Keywords | 海進面 / ラグ堆積物 / 上部更新統 / 貝化石層 |
Research Abstract |
野外調査およびサンプリング 茨城県南部の行方台地に分布する上部更新統下総層群木下層中にみられる海進面の直上に発達する,貝殻を含んだラグ堆積物を露頭からブロックで採取した(各サンプルは約20cm立方).サンプル採取地点はそれぞれ,外洋側・潮流口の古環境を示す. 露頭での観察により,これまで1枚のラグ堆積物と考えられていた堆積物が,何枚かのラグ堆積物の集合体であり,さらにそれぞれに含まれる貝化石の組成やオリエンテーションが異なっていることがわかった.したがって,ラグ堆積物の形成には何回かの侵食・堆積イヴェントが関与したと推定される. 水槽実験 既存の2次元水路に造波器を新たに制作し,波を起こせるようにした.これを用いて,Spisula spp., Glycymeris sp.など代表的な貝殻を用いて振動流中での動きと停止姿勢について基礎的な実験を行ったが,定量化に至っていない.実験では波の波長や周期との関連を主に観察したが,貝の形が流れに影響を及ぼすので,局所流速などを測定する必要がある. 資料調査 採取したサンプルブロックに含まれる貝化石のオリエンテーションを3次元でかつ非破壊で調べるために,地質調査所所有のX線CT装置を使用して画像データとしてデータ化した.今後,これをもとにして画像処理を行い.貝殻の種類と形そのオリエンテーションから,堆積時の環境と営力を復元する.
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