1998 Fiscal Year Annual Research Report
大気-海洋間の^<14>Cリザーバー効果の経年変化に関する研究
Project/Area Number |
10740255
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
村山 雅史 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 助手 (50261350)
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Keywords | 海底堆積物 / 加速器質量分析(AMS) / ^<14>C年代法 / リーザーバー効果 / Δ^<14>C / 大気-海洋 / 花粉 / 浮遊性有孔虫 |
Research Abstract |
本研究では,海底堆積物の同一層準から産出する花粉と浮遊性有孔虫をそれぞれ加速器質量分析法(AMS法)による^<14>C濃度測定を行い,過去にさかのぼって,大気-海洋間の^<14>Cリザーバー効果の経年変化を見積もることを目的としている.この見積もりは,精密な^<14>C年代測定を行った後,その値を暦年代に換算するために不可欠である.申請者は,堆積物から浮遊性有孔虫を拾い出し,微量(5-10mg)でも可能なAMS^<14>C年代測定のための試料調整法はすでに確立しているため,本年度は,海底堆積物から花粉のみを抽出する手法の確立を中心に行なっている.試料は,花粉含有量が多いと思われる網走湖と噴火湾で採取された堆積物表層の試料を主に扱った. 1. 堆積物約50gを使い,KOH法やHF法を用いて他の有機物や鉱物等を除去する.その後,アセトリシス法を用いて多糖類や脂質を除く処理を行った. 2. その後,電子顕微鏡を用いて花粉だけの抽出が完全におこなわれているかどうかチェックを行なった.完全に花粉だけ抽出されている試料と炭化物も同時に残っている試料が認められた. 炭化物は,^<14>C年代測定に多大な影響を及ぼすためその完全な除去を行う必要がある.ただし,化学的・物理的に除去が難しいため,現在,炭化物の除去法の確立を行っている.
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Research Products
(1 results)