1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10740259
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山中 俊朗 北海道大学, 触媒化学研究センター, 助手 (10261356)
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Keywords | 白金 / 酸素 / 光反応 / ホットアトム |
Research Abstract |
金属表面上に酸素分子を吸着させ、エキシマレーザー光を照射する。このとき酸素の光解離で生じる高速原子(ホットアトム)が隣接する吸着種に衝突して、脱離、反応を引き起こす。脱離分子はホットアトムの運動量を部分的に保つため、脱離分子の角度分布、並進エネルギーを調べることによりホットアトムの衝突ダイナミクスに関する知見が得られる。このとき試料の冷却により化学吸着から物理吸着へ標的分子の吸着状態を変化させ、吸着高さ等を制御したときの効果を調べるために、低温試料ホルダーを作成した。この研究のために、試料ホルダーは以下の条件を満たす必要がある。(1)試料温度を25Kまで迅速に冷し、1000Kまで通電により加熱できる。(2)試料表面の中心を通る軸を中心に試料を自由に回転させ、脱離角を変化させることができる。市販のクライオスタットの規格が22Kであるため、25Kまで冷却するためには外部からの熱の流入を極力避ける必要がある。そのために、通電用の電線、試料温度測定のためのサーモカップル、試料回転のための運動伝達部品等は、超高真空チャンバーの外部から動かせるようにし、必要な時だけ試料ホルダーに接続できるようにした。また、超高真空中で試料をスムーズに回転させ、しかもそのとき発生する不要なガスを最小限に押さえるため、回転の時にのみ回転部分を浮上させ、金属表面間の摩擦が起きないようにした。現在調整、改良中であるが、目的に近いものが出来上がった。サーモカップルや電線の装脱着の駆動部分をさらに精巧にする必要がある。
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